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魔界学園ZERO戦記 TypeA編 
01-009【意外な弱点】

勇者
「くそっ! ムカつくやつばかりだっ!
 ジャックといい、レイラといい・・。」

*と、その頃レイナの方は・・

サラ
「はぃこれ・・貴重品なんで、注意して扱ってくださぃよ。」

レイラ
「あぁ、わかってるよ。
 お前の方こそ、わかってるよな? このことは、会長には・・。」

サラ
「黙っておきますよ・・これ次第で・・。」

*サラはいやらしき笑みを浮かべると
 金を要求するような手の仕草を見せた。

レイラ
「へぇ~それじゃ~・・。 
 まずは、お前を始末するしか無ぃよな? なぁ~サラ?。」

*レイラは血走った瞳を大きく見開き
 サラを上から見下ろした。

サラ
「ごくっ・・じょ、冗談ですよ・・。
 レ、レイラさんから・・お金をもらうわけ・・無ぃじゃないですか。」

*サラは、長身のレイラから物凄い圧力で見下され
 視線も外せずに真っ青になって震え上がってしまった・・。

レイラ
「だよな? あたし気が小さぃからさぁ~・・。
 あまり脅かすなよ? 頼むよ・・なぁ~?。」

サラ
「は・・はぃ・・。」

サラ
「ところで、そのゴートゥーヘブンを使って・・
 今度は何を企んでいるんですか?。」

レイラ
「ふっ・・お前、やっぱり・・長生き出来ないタイプだよな?。」

サラ
「ひぃぃ・・すすすみません・・すみません・・
 長生き・・したぃです・・。」

レイラ
「冗談だよ。 かわいぃ後輩にそんなマネするはず無ぃだろ?
 面白かっただろ? あははっ・・なぁ~サラ?。」

サラ
「で、ですね・・。」

レイラ
「なら、何で笑わなぃんだ? 笑ぇよ・・面白ぃんだろ?。」

サラ
「あは・・あははは・・あぁ~面白ぃ・・あはははは・・。」

レイラ
「ふんっ! それでいぃよ・・じゃ~な・・。」

*レイラは意気揚々と去って行った・・。

サラ
「あはは・・ってっ! 面白くねぇ~よっ! バカか?
 これだから脳筋女は・・バカ、バカ、バァ~カ・・レイラのバァ~カ・・。
 はぁ~はぁ~あぁ~怖かった・・あの目、絶対何人か殺ってるよ・・。」

【サラ 女:16歳 152cm 38kg 75(A)-53-78】
【金の亡者の2年生の女の娘。
 生徒会で会計をしている。
 いろいろ策略を練るのが好きなサディスト。
 生徒会での人間関係は、サラから見ると
 アリスとニーナは利用できるコマで
 レイラは死んで欲しい存在。】

*その頃、勇者はまだギルバートに連絡が取れずに困っていた。

勇者
「しかし、どぅしようか?
 一度、ギルバートさんの考えも聞いておきたいとこなんだけど・・。」

勇者
「内容が内容だけに・・伝言を頼むのは避けたいしな・・。」

勇者
「うぅ~ん、直接カミラに確認するか?
 いや・・でも・・えっ!? ギルバートさん?。」

*少し離れた先に、そのギルバートの姿を見つけて
 勇者は足早に駆け寄った。

勇者
「ギルバートさん・・。」

勇者ギルバート
「おぅ、レオンどうした? 進展はあったのか?。」

勇者
「えぇ、少し・・
 ギルバートさんの意見を聞きたいと思っていたところです。
 それより、何でギルバートさんが?。」

勇者ギルバート
「あぁ、私的なことなんだがな・・。」

勇者
「私的なこと? それなら、これ以上は・・。」

勇者ギルバート
「いや、レオンがここで捜査をしている以上、
 聞いてもらっておいた方がいいだろう。」

勇者ギルバート
「実は、ここ第零には娘が通っていてな・・。」

勇者
「そぅ・・だったんですか・・。」
(でも、ギルバートさんの娘さんが何で第零なんかに?
 これ以上は聞かない方がいいだろうな・・。)

勇者ギルバート
「ふむ、その顔は・・
 何で勇者の娘が第零なんかに通っているんだって感じだな?。」

勇者
「いえ・・決して・・。」

勇者ギルバート
「いいんだ・・俺が悪いんだから・・。
 少々、厳しく育て過ぎてしまってな・・。 内気なあの子は・・
 俺と違ってそういうのには耐えられない子だったんだ・・。」

勇者ギルバート
「なのに、俺はそんな娘に気遣うことも出来ずに・・
 気が付いた時には、いつもオドオドして
 すっかり自分の殻に閉じこもってしまう子になってしまったんだ・・。」

勇者
「・・・・・・。」

勇者ギルバート
「で、当然のように虐めにあって・・
 だが、おとなしいだけであって・・腕は立つんだ・・。」

勇者ギルバート
「追い詰められて、逆に・・
 虐めていた相手達を必要以上に傷つけてしまってな・・。」

勇者
「・・それで、第零に・・。」

勇者ギルバート
「そういうわけだ・・。
 それで、また・・虐められてないかと、心配になってな・・。
 時々、こうして学園に足が向いてしまうんだ・・。」

勇者ギルバート
「それと、例の件もあるだろう?
 もしも、あの子が巻き込まれでもしたら・・俺は・・。」

勇者
「ギルバートさん・・。」

勇者ギルバート
「何で・・何で俺は・・もっと早く、あの子の心が傷付いている事に
 気が付いてやれなかったんだ・・。
 はぁ~俺は父親として、最低だ・・。」

勇者
「それで、娘さんとはお会いしたのですか?。」

勇者ギルバート
「いや・・さすがに直接会うことは出来んよ・・。
 俺は何も出来ない・・いつもそうさ・・。
 今回もただこうして眺めているだけだ・・。」

勇者
(あの精悍(せいかん)で雄大なギルバートさんが・・
 こんな姿を見せるなんて・・)

勇者
「あの・・ギルバートさん・・。
 俺でよかったら、気を掛けておきますよ。 一応、今は教官なので・・。
 娘さんは、なんてお名前なんですか?。」

勇者ギルバート
「レオン・・ありがとう。 娘の名はシンシア・・4年生だ。
 特別に許可をもらって帯剣をしているからすぐにわかると思う。」

勇者
(オドオドした帯剣してる女の娘か・・
 確かにすぐにわかりそうだ・・)

勇者ギルバート
「私事(わたくしごと)で申し訳ないのだが・・どうか頼む・・。
 少しでもいいんだ、気に掛けておいてやってくれ・・。」

勇者
「いいえ、大恩(たいおん)あるギルバートさんのお役に立てるなんて
 むしろ光栄です。 どうか、お任せください。」

勇者ギルバート
「そうか、ありがとう・・。
 そうだ、何か報告があったんだったな。」

勇者
「はい。 まずは、ここの学園長なんですけど・・。」

勇者ギルバート
「あぁ~カレンのことか・・。」

勇者
「ご存知だったのですか?
 何で教えてくださらなかったのですか?。」

勇者ギルバート
「あぁ~なんだ・・その・・カレンに口止めされてな・・。
 お前を驚かせたいとかで・・すまん・・。」

勇者
「はぁ~やっぱり、そんなとこだと思っていましたよ・・。」

勇者ギルバート
「すまんな・・あの娘には、ちょっと弱みを・・いや、何でも無い・・。」

勇者
(まさか・・ギルバートさんもカレンと?
 いやギルバートさんに限って・・いやいや、そんなことより今は・・。)

勇者
「それと・・ジャックの姿も目撃しました。」

勇者ギルバート
「ジャック? 何でやつが?
 やつにこれに関わった任務は出しておらんが・・。
 ふむ、わかった・・その件はこちらでも調べておこう・・。」

勇者
(やっぱり、任務じゃなかったのか・・
 なら・・いや、決め付けるには早すぎるな。
 あれでも一応、勇者なんだし・・。)

勇者ギルバート
「他には何か?。」

勇者
「いえ、他はまだ確認も取れていませんので。」

勇者ギルバート
「そうか、それじゃ~俺はレオンのおかげで少し落ち着けたし
 戻るとするよ、後は頼んだぞ・・。」

勇者
「はい、お任せください。」

*ギルバートは落ち着いた足取りで去って行った。

勇者
(シンシアか・・一応、会っておくかな。)

*勇者は校舎の中に戻って行った。

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