勇者
(4年生って言ってたから・・この階でいいんだよな・・。
まぁ~顔もわからないし、生徒に聞いてみるか。)
勇者
「あの、ちょっと聞きたいんだけど・・。」
ショートカットの元気そうな女の娘
「うん? なんなのかなー?。」
勇者
「4年生のシンシアって娘を知らないかな?。」
ショートカットの元気そうな女の娘
「あれー? あんた、新しぃ先生?。」
*元気よく話す女の娘の声から新しい先生と聞こえて
周りの生徒が足を止め勇者の顔をチラチラ見ている。
勇者
「あぁ、そうだけど。」
ショートカットの元気そうな女の娘
「あーやっぱりね。 ふぅ~ん、確かに確かに・・
そんな感じなんだな・・うんうん・・。」
勇者
「えっ? もう俺の噂が?
かっこいい先生来たーっ! とか?。」
ショートカットの元気そうな女の娘
「あんたさー、アリスちゃんのおっぱい揉んだんだってね・・。
よくわかんなぃけど・・それ以上のこともしてたんでしょ?。」
*辺りの生徒の表情が
汚いものを見るような感じに一気に変わっていく・・。
勇者
「ババ・・バカッ! お前っ! 何言ってんだっ!?。」
ショートカットの元気そうな女の娘
「ムカッ! いきなり初対面でバカ?
失礼だなあんた・・だいたい僕はバカじゃなぃし・・。」
辺りの生徒たち
「パワハラよ・・確かに初対面では酷いよね・・。」
ショートカットの元気そうな女の娘
「ふふんっ・・。」
*女の娘は辺りの生徒を味方に付けて誇らしげだ。
辺りの生徒たち
「確かにニーナはバカだけど・・。
せめて少しぐらい話さないとわからないもんね・・。」
ニーナ
「そうそう・・せめて、少しは話さなぃとねっ!。」
勇者
「えっ?(か、かわいそうに・・)
あ・・それは、そうだな・・バカとか言ってごめん・・。」
ニーナ
「わかればいぃよ、僕は心が広ぃからね。
でも、アリスちゃんのおっぱいを揉んだのは許さなぃよっ!。」
勇者
「それは、勘違いだって・・
とりあえずさ・・その話はあっちでしようか? ねぇ~?。」
ニーナ
「うぅ・・人目につかなぃとこで、僕の胸を揉む気なのか?。」
勇者
「揉まねぇ~よっ! だいたい、お前・・
そんな揉めるほどの物持って無いだろうがっ!?。」
辺りの生徒たち
「今度は、セクハラよ・・最低・・女の娘に向かって・・。」
勇者
(はっ! しまった・・失言だ・・。)
「ご、ごめん・・失言だった。 今のは、ほんとにごめん・・。」
ニーナ
「ん? にゃはは、僕に胸が無ぃのは本当のことだから問題無ぃよ。」
辺りの生徒たち
「いいんだ? でもバカは失礼だって怒ってたから・・
バカじゃないって本気で思ってるのかな?。」
辺りの生徒たち
「えぇーっ? それは無いでしょ?
あの会話内容だよ? それにテストの結果・・
この前5点取って大騒ぎだったじゃん?。」
ニーナ
「フガッ! フーッ! 僕はバカじゃないっ!
誰かな? フギーッ! 僕をバカだって言ぅのは?。」
*ニーナがキレた猫のように周りの生徒を威圧する・・。
辺りの生徒たち
「うわっ・・ニーナがキレた・・。
引っ掻かれる前に退散しよっ、あははっ・・。」
*辺りの生徒たちはクスクス笑いながら散って行き・・
結果、勇者とニーナはふたりだけになった。
勇者
「おい、ニーナ・・。」
ニーナ
「フーフー・・。」
勇者
(ダメだ、言葉が通じていない。 それじゃ~・・)
「ニーナ、お前はバカじゃないよ。 みんな酷いよな?
よく知りもしないで・・ニーナが怒って当然だ。」
ニーナ
「ん? ほんとにっ!? ほんとにそぅ思ぅ?。」
勇者
「あぁ~もちろんさ・・。
どことなく知性が感じられるぐらいだよ。」
ニーナ
「なぁ~んだ・・あんた、いぃやつだったんだね・・。」
勇者
「あぁ、お互いに誤解が解けてよかったよ・・それじゃ~・・。」
*勇者はさっさと退散しようとしている・・。 しかし・・
ニーナ
「んで・・なんで、アリスちゃんのおっぱい揉んだ?。」
勇者
「ぐっ・・だから、それは勘違いなんだって・・。」
ニーナ
「じゃ~さ・・アリスちゃんが嘘言っているって言ぅの?。」
勇者
「うぅ・・嘘は言ってないけど・・。」
ニーナ
「やっぱり、揉んだんじゃんっ!
絶対に許さなぃからねっ! 変態教官っ!。」
*ニーナは、プンプン怒って去って行った・・。
【ニーナ 女:18歳 164cm 43kg 80(B)-56-82】
【ちょっと天然で陽気な4年生の女の娘。
一応、生徒会の書紀をしている。
アリス・レイラとは初等学校の頃からの知り合い。
思ったことはとりあえず口にしてしまう。
アリスの事が大好きで
アリスのためならば何でもしてしまう。
レイラの言うことも聞くが
それは心底レイラが怖いだけ。】
勇者
「くそぅ・・ニーナのあの様子から察すると・・
アリス、まだ怒ってるみたいだな・・はぁ~・・。」
勇者
「あれ? 俺・・何しに来たんだっけ?
うぅ~ん・・あっ! 思い出したシンシアだっ!。」
*勇者は思い出してスッキリしたように
少し声を張って言った。 すると・・
オドオドした女の娘
「ひっ! わたしっ!?。」
*丁度通りかかったひとりの女生徒が
怯えたようにしゃがみこんでしまった・・。
勇者
「ん? ごめん、驚かしちゃったね・・。
だいじょうぶ?。」
オドオドした女の娘
「わたし・・違ぃます・・。 ごめんなさぃ・・。」
*女の娘は、剣に抱きつき・・震えながら小声でそう言った。
その表情は、心底怯えているように見える。
勇者
(あれ? 帯剣してる・・それに、このオドオドした感じ・・)
「ひょとして・・君がシンシア?。」
オドオドした女の娘
「ごめんなさぃ、許してくださぃ・・。」
勇者
「えっ!? いや、何もしないよ・・。
俺は今日からここの教官になったレオン・・。
君のお父さん、ギルバートさんの知り合いだよ。」
オドオドした女の娘
「・・お父さんの?。」
*少し、ほっとした様子ではあるが・・
相変わらず、小さな声でそう聞いてきた。
勇者
「うん・・それで、君がシンシアでいいんだよね?。」
シンシア
「はぃ・・。」
*シンシアは頷きながら、ほとんど聞こえない声で答えた。
【シンシア 女:18歳 163cm 45kg 83(C)-57-85】
【オドオドした気の弱い4年生の女の娘。
勇者ギルバートのひとり娘で
剣に触れていないと落ち着かないため
特例で学園内の帯剣を認められている。
剣術の腕前は学園内でも屈指の存在。
元々、第一の生徒であったが一年生の時に激しい虐めを受け続け
内気な性格であったために誰にも相談も出来ずに耐え忍んでいた。
しかしある時、携帯している剣を取り上げられそうになると一変・・
虐めていた第一の生徒男女十数名に斬り付け一瞬で無力化してしまった。
幸いにも死者は無く、虐めの事実も認められたが
全員がかなりの重症であったために
過剰過ぎる防衛とされ第零に転入させられた。】
勇者
「立てる? はい・・。」
*勇者は精一杯優しげに手を差し伸べた・・。
シンシア
「ひぃぃっ!。」
勇者
「えっ? さっきのニーナとの会話を聞いていたの?。」
シンシア
「はぃ・・。」
*シンシアは胸を隠しながら、上目遣いに答える。
勇者
「あれは、ニーナの勘違いなんだって・・。」
シンシア
「うぅ~・・。」
勇者
(ダメだ・・完全に疑われてる・・まぁ~事実ではあるんだが・・)
勇者
「それじゃ~あのさ、そのままで聞いて・・。
シンシア、君はこの学園で虐めを受けている?。」
シンシア
「うぅ・・無ぃ・・です・・。」
*少し時間を置いてシンシアは答えた。
勇者
(今の間は何なのかな? 気になる・・けど・・。)
勇者
「そうか、よかった・・虐められて無くって・・。」
シンシア
「・・・・・・。」
勇者
(うぅ~ん、解りづらい・・)
「それじゃ~何か変な薬の噂とか聞いたことはないかな?。」
シンシア
「ありません・・。」
*今度は、この娘にしてはしっかりとした声で否定をした。
勇者
「あぁ~そうなんだ。 それじゃ~これで終わり。
いきなり来て、いろいろ聞いてごめんね。」
勇者
「それと、何か困ったことがあったら相談してね。
俺、ギルバートさんには、いろいろお世話になってるし・・
こう見えて少しは頼れる先生のつもりだから・・。」
シンシア
「王宮の人・・ですか?。」
勇者
「あーそれは・・出来たら内緒にしておいてくれないかな?。」
シンシア
「はぃ・・。」
勇者
「ありがとう、それじゃ行くね・・。」
勇者
(虐めについての返事は、怪しいと思ったけど・・
薬については、はっきりと否定していたな・・。)
勇者
(違うことは、違うって返事できるのか?
なら、虐めも本当に無いってことでいいのかな?。)
*そんなことを考えながら勇者は教官室に向かっていた。
そこに・・
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