勇者
「くそぅぅ・・カレンのやつ・・やめろって言ったのに・・。」
*勇者はあまりの悔しさに・・
若干涙ぐんで膝を抱えて座り込んでいた・・。
おとなしそうな女の娘の声
「あのぅ~レオン先生・・。」
勇者
「ん?。」
*声を掛けられて振り向くとそこには・・
アリス
「だいじょうぶですか?
男の先生が涙ぐむほど・・カレン先生に叱られたのですか?。」
勇者
「なっ! 涙ぐんでなんかないよっ!
別に悔しくなんて・・ないし・・ぐす・・。」
アリス
「そんなに悔しかったんですね・・。
ごめんなさぃ先生・・わたしが泣き出してしまった所為(せい)で・・。」
勇者
「えっ? いや、アリスは関係ないよ・・。
あの女が・・カレンのやつが・・。」
アリス
「もぅ・・相手は理事長先生なんですから・・
そんなことを言ってはいけませんよ・・。」
勇者
「だって・・。」
アリス
「ぷっ! レオン先生・・まるで子供みたぃ・・。
うふふっ、とてもかわいぃです・・。」
勇者
「はぁ~っ? か、かわいいとか言うな・・。
生徒のくせに・・生意気な・・。」
アリス
「あぁ~また・・照れてるんですか?
ほんとにかわいぃ・・ですよ? レオン先生・・。」
勇者
「くぅぅ・・。」
アリス
「あっ・・ごめんなさぃ。 つい・・。」
勇者
「はぁ~別にいいよ・・。
それより、俺に何か相談があったんだよね?。」
アリス
「は・・はぃ・・お話・・聞いてもらえますか?。」
勇者
「もちろんだよ、生徒が相談してくれるなんて・・
先生冥利に尽きるってもんさ。
それで、ここでいいのかな?。」
アリス
「そぅですね、この時間なら・・
生徒会室は誰もいなぃはずですので移動してもいぃですか?。」
勇者
「あぁ、いぃよ・・。
あぁ~こんなこと昨日もあったよね・・。」
アリス
「ですね・・レオン先生がわたしの胸を・・。」
勇者
「だから、あれは誤解なんだって・・。
わざとじゃないんだよ・・。」
アリス
「かもしれませんね・・。
レオン先生は、そんなことしなぃって・・少しだけそぅ思ぃます・・。」
勇者
「少しだけ? まぁ~今はそれでもいいか・・。
あーそれとさ・・ニーナって娘のことなんだけど・・。」
アリス
「ニーナ? ニーナがどぅかしましたか?。」
勇者
「うぅ~あの娘にさ・・その・・
アリスのおっぱい揉んだって・・言っただろ?。」
アリス
「あっ! はぃ・・何か、ご迷惑を?。」
勇者
「あの娘さ・・他の生徒が大勢いる前で・・
そのことを、でっかい声で言ってさ・・。」
アリス
「うぅ、ごめんなさぃ・・。
ニーナには、わたしの勘違いだったって言っておきます・・。」
勇者
「うん、そうしてくれると助かるよ・・。」
*と、話しているあい間にふたりは生徒会室に着き・・
中には誰もいなかったのでそのまま相談を聞くことになった。
勇者
「それで、どんなことなのかな?。」
アリス
「はぃ・・実は、レイラちゃんのことで・・。」
*アリスは、うつむいたまま・・辛そうに話しだした・・。
勇者
「レイラ? もしかしたら・・虐められてるとか?。」
アリス
「えっ!? どぅして・・それを・・。」
*アリスは驚いた様に勇者の顔を見つめた・・。
勇者
「いや、普段のふたりの様子から何となくね・・。
レイラには確認したんだけど・・お前には関係無いとか言われてさ・・。
それで、俺もアリスに確認しようと思っていたところだったんだよ。」
アリス
「そぅだったんですか・・。」
勇者
「それで、いつから虐められてるの?。」
アリス
「わたしが第零に転校して来たのが二年ほど前なんですけど・・
丁度、レイラちゃんもその頃に転入してきて・・
何となくそれからです・・。」
勇者
「二年もか・・辛かっただろうに、よく耐えたね。
でも、俺がなんとかしてみるよ。」
アリス
「ありがとぅございます・・レオン先生・・。」
勇者
「お礼は、まだ早いよ・・。
あ、それとさ・・辛いこと思い出させて悪いんだけど・・
虐めの始まった原因らしきものって思い当たるかな?。」
アリス
「いぇ、なにも・・でもきっと、わたしが・・
何かレイラちゃんの何か気に障ることをしてしまったんだと思ぃます。
わたし、トロぃですから・・いつもイライラさせてしまぅし・・。」
勇者
「はぁ~っ? もしそうなら、それはレイラのわがままでしかないよ。
相手が自分の思うように振る舞ってくれないのが許せないなんて・・
何様のつもりなんだよっ!。」
勇者
「それにアリスは・・確かに少しのんびりした印象はあるけど・・
かえってそれが、優しくて親切なアリスらしくていいんだよ。」
勇者
「俺は、アリスといてイライラなんてしないし・・
むしろ、とても女の娘らしくていい娘だと思っているよ。
何で、第零にいるのかと不思議なぐらいね。」
アリス
「そんな・・褒めすぎですよ・・。
恥ずかしぃじゃないですか・・。
わたしのこと・・狙ってるんですか?。」
勇者
「えっ? いや、アリスはかわいいと思うよ・・。
いいもの持ってるし・・けど俺は、一応先生だからね。
生徒に手を出したりしないよ。」
アリス
「何ですか・・いぃものって・・イヤラシィ・・。」
勇者
「あつ! ごめん・・つい・・。」
アリス
「くすっ・・相談したのがレオン先生でよかったのかも・・。」
勇者
「そうなのかな? けどさ、何で俺なんだ?
昨日会ったばかりだよね?。」
アリス
「何となくです・・。 ほんとに何となく・・
あぁ~この先生なら・・何とかしてくれるのかなって・・。」
勇者
「そうなんだ・・。 まぁ~確かに相性とかインスピレーションとか・・
そういうのに頼るのって、後々になってみると
けっこう正解だったみたいのってあるからね。」
勇者
「わかった、それじゃ~レイラと話してみるよ。
けどそれまでは、辛いかもしれないけど・・
今まで通りにレイラと接することってできるかな?。」
アリス
「はぃ・・だいじょうぶ・・です・・。」
勇者
「くっ・・もう少しだから・・レイラに悟られて・・
今以上に虐めがエスカレートしたら困るから・・
もう少しだけ・・ガマンしてね・・。」
アリス
「はぃ、レオン先生・・よろしくお願ぃします・・。」
勇者
「うん、それじゃ~俺は行くね・・。」
*少しほっとした様な表情をしたアリスを残し・・
勇者は生徒会室を後にした。
勇者
(アリス・・こんな俺のことを信じてくれているんだな・・。
しっかりやらないとな、その思いを裏切ったりしないように・・。)
現在はここまでです。
次回は 01-016本編:【地雷に再会した】 です。
お楽しみに!!
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