勇者
「ん? あれは、委員長か・・。
そういえば、さっきのあの訳のわかんない行動・・
一応、確認だけしておくか・・委員・・っ!?。」
*リネットが話している人物の顔を見て
とっさに勇者は、声を掛けるのをやめた・・。
勇者
(あれ・・カール伯爵? だよな?
なんで、委員長と? 伯爵からは、あまりいい噂は聞かない
はっきり言って危険人物だ・・。)
【カール伯爵 男:46歳 165cm 80kg】
【小太りの野心多き貴族。
表面上は、王室に従順に
従っているように振る舞っているが
裏では何かと王室の方針に逆らう行動を取っている。
軍備増強に余念が無く、
クーデターを企んでいるとの噂さえある。】
勇者
(王室と距離を置く何人かの貴族が
ゴートゥーヘブンについて嗅ぎ回っていると聞いたことがある。)
勇者
(まさか? いや・・伯爵なら、十分に考えられる・・。
あの人は野心の塊だ・・もしも、ゴートゥーヘブンを手にしたら・・
危険過ぎる・・でも、何で委員長と?。)
勇者
(委員長に確認するか?
いや、相手が相手だけに・・これは迂闊(うかつ)に動けない・・。
とにかく慎重に行動しないと・・。
まずは、ギルバートさんに報告して指示を仰ごう・・。)
*ふたりが別れるまでの様子を見届けて
勇者は、急いでギルバートに連絡をした。
勇者ギルバート
「レオンか、先程は済まなかったな。 で、何があった?。」
勇者
「はい、学園内でカール伯爵を見かけましたので
ご報告しました。」
勇者ギルバート
「なっ! なんだとっ!
まさか・・動き出したというのか?。」
勇者
「いえ、そこまでは・・。
ただ学園で生徒と話しているのを見かけただけですので。」
勇者ギルバート
「ふむ、で・・その生徒というのは?。」
勇者
「話してみた限りでは、特に危険な生徒という印象は受けませんでした。
会話の内容まではわかりませんので
道を聞かれたとかの可能性もありますし・・。」
勇者ギルバート
「その生徒から確認を取ったのか?。」
勇者
「いえ、会話をしたのは伯爵との接触前です。
相手があの伯爵ですから、
ギルバートさんに指示をいただいた後の方がいいかと思いまして。」
勇者ギルバート
「そうか、それは懸命な判断だったな。
こちらでもさっそく調査を開始するので
この件については、しばらく行動を控えるようにしてくれ。」
勇者
「はい、そのように・・それでは、失礼します。」
勇者
(あの委員長が? うぅ~ん、やっぱり考えづらいな・・。
しかし、あのおかしな行動のこともあるし・・。
注意だけは、しておくか・・。)
*その後、勇者は帰宅した。
勇者
「ふぅ~くそっ! 今日はふたりの情報は何も得られなかった・・。
どうか無事でいてくれよ・・。」
勇者
「けど、ゴートゥーヘブン絡みの方は
だいぶキナ臭い感じになってきたな・・。」
勇者
「まずは、ジャック・・
フローラの状況を知っている風なことを言っていたが・・
あれはたぶん、俺への嫌がらせだろう・・。」
勇者
「だが、ゴートゥーヘブンに関しては・・あるのか?
仮にも勇者なんだぞ?。」
勇者
「ただ、もしもジャックが関わっているとして
やつがゴートゥーヘブンを使用したら・・。
薬の効果が本当に噂通りだった場合・・俺はやつに勝てるのか?。」
勇者
「それとジャック絡みでは、カミラのことも頭に入れておかないとな・・。
保健室でのあの・・ごくっ、気持ちい・・いや、おかしな行動・・。
魔薬の効果によるものじゃなければ・・説明が付かないしな・・。」
勇者
「ジャックからカミラがゴートゥーヘブンを購入した・・。
このラインは、注意深く調べてみた方がいいな。」
勇者
「次は、カール伯爵と委員長だな・・。
下手に動けないわけだし、
こっちは当面、ギルバートさんに任せておけばいいな。」
勇者
「委員長とは、普段通りに接して・・
いろいろ勘ぐられないようにしないとな。」
勇者
「さて、今日は疲れたし早めに寝るか・・。」
*勇者は眠りに付いた・・
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