女忍桃香 お兄さまとお買い物

注意!! この作品には一切のH及び陵辱シーンはありません。
     また、動画化の予定もありません。
     ほのぼの系に興味の無い方は回れ右をお願いします^^


*妖花の罠で紹介した魔忍の里の事件もすっかり落ち着いたとある午後。
 この日は・・

*陽の光が柔らかに暖かく降り注ぎ、爽やかな風が優しく舞っている。
 のんびりと思いにふけていると・・ついつい
 うたた寝をしてしまいそうなほどの心地よい時の流れであった・・。

桃香
「はぁ~あれ以来なにか進展が無いのですよねぇ~?
 それはお互いの気持も確認が取れましたし・・
 あっちの・・ねぇ~? 関係にもなりましたよ・・。」

*そう最強の女忍といっても、この娘もお年頃の女の娘である。
 大好きなお兄さまとのことをあれこれ悩んで悶々としていた・・。

桃香
「けど、なにか違ぅんですよ・・。 うぅ~ん・・やっぱり呼び方かなぁ~?
 ・・雷牙さん? 雷牙くん? それとも、あ・な・た・・とかぁ? きゃぁ~・・。
 はぁ~どっちにしても・・いつまでも、お兄さまは無いですよね・・。」

桃香
「どぅしようかな・・? 思い切って呼んでみちゃう?
 どんな反応するかなぁ~? もし、嫌がられたら・・うぅぅ・・。」

桃香
「やっぱり、なにか盛り上がるイベントがほしぃですよね・・。
 そぅすれば、そのタイミングで自然に・・。」

*少女がひとりで盛り上がったり落ち込んだりをしていると・・。

雷牙
「おぉ~い、桃香ぁ~? あ、いたいた。
 これから街に買い物に行くぞ、すぐに用意しな。」

桃香
(お買い物デートっ! 来ましたこれですっ!! けどぅ~むぅぅ・・
 なにあの、俺が誘えば当然来るだろみたいな感じ・・。
 桃香の扱いが少し雑じゃない? ここは、少し焦らして・・。)

桃香
「あら、お兄さま。 せっかくのお誘いですけど・・
 わたし小用がありまして、すぐには・・(うふっ、これで・・)。」

*少女は作戦通りに・・
 敢えて、落ち着いた感じをかもし出し素っ気のない態度を取ってみせた・・。

*心の中では、この兄はどんなに残念そうな表情を浮かべるのであろうかと
 ほくそ笑んでいたのだが・・。

雷牙
「そうなんだ。 じゃぁ、いいや。
 小虎丸でも誘ってみるよ。」

桃香
(はぁ~っ!? ちょっと、なんで?
 そこは、もぅちょっと粘るとこでしょっ!?)

*少女は焦った・・。 せっかくのお出かけのチャンスを
 自らの作戦ミスで失ってしまうかもしれないのだっ!!

桃香
「あのぅ~小用と言ぃましても、すぐに片付きますので
 少しお待ちいただけましたら・・。」

*しかし・・
 それを兄に見せるのは恋愛の主導権を得るためには許されないっ!
 少女は焦る気持ちを抑え、冷静に対応を試みた・・が、またしても・・。

雷牙
「あぁ~ならいいよ、ただの買い出しだしさ。
 用があるのに急がせるほどのことじゃないから・・。」

*兄は優しく笑顔で少女を気遣ってくるのであった・・。

桃香
「終わりましたっ!。」

雷牙
「ん? え? どういうこと?。」

桃香
「ですから、用事は済みましたのですぐに着替えてきますっ!!。」

雷牙
「えっ!? どういう・・って、もう行っちゃったし・・。
 なんなんだ、あいつ・・?。」

*少女は、完全なる敗北をきっし・・脱兎のごとく駆け出した・・。
 そして、自室につくと・・

桃香
「だからぁ~粘れって言ぅのっ! もぅっ! ほんと鈍感なんだからっ!
 行きたくないとか、行けないとか言ってないじゃないっ!
 お兄さまのばか、ばか、ばぁ~か・・。」

*少女は己の作戦ミスにもかかわらず、怒りの矛先を兄に向けてみた・・。

桃香
「もぅっ! お兄さまは、ほんとに・・ふっ、けどぅ~うふふっ・・えへへぇ~
 久しぶりにお兄さまとのお出かけ・・あぁん、顔がニヤけてきちゃう・・。」

桃香
「うぅぅ、こんな満面の笑顔で出ていったら・・
 桃香のほうが、お兄さまとのお買い物に行くのを
 すごくうれしぃみたいに勘違ぃされちゃうじゃない・・落ち着かないと・・。」

*勘違いではないのだが・・。

桃香
「すぅ~はぁ~すぅ~はぁ~・・よしっ! これで、いぃかな。
 それに、ふっふっふぅ~こんなこともあろうかと・・お出かけ用の
 ワンピースを購入していたのだよ、雷牙くんっ! さすがわたしっ!。」

桃香
「これを着た桃香を見てお兄さまは、少し照れた感じでこぅ言うの・・。
 今日の桃香は、その・・なんか、いつもより・・かわいぃね・・。
 とかねぇ~っ! うふふっ、待っていなさいっ! お兄さまっ!!。」

雷牙
「遅いな・・着替えるだけでなにやってんだろ・・。」

桃香
「お待たせしました、お兄さま・・(ちらっ、どぅ? うふんっ)。」

*おめかしした少女は
 当然告げられるはずの言葉を自信満々に待った。

雷牙
「遅いよ、少し急ぐぞ・・。」

*が、兄は少女の姿をちらっと見て確認すると
 スタスタ歩き出してしまった。

桃香
「なっ!! あっあぁぁ・・
 (何それっ!? そぅ、また泣かされたぃってこと? うぅぅ・・)。」

雷牙
「ん? どうしたんだ?。」

桃香
「なんでもありません・・うふふっ・・(許さないからぁ~っ!)。」

*そしてその後、しばらく会話もなく歩いていると・・。

雷牙
「なんだ桃香? 今日はやけに静かだな?。」

桃香
「(誰のせいだと思ってるのかな・・。)
 そぅですか? わたし、いつもこんな感じじゃないですか?。」

雷牙
「みんなの前ではな。 俺の前では猫被らなくてもいいんだぞ?。」

桃香
「はぁ~っ!? 猫なんて被って無いじゃん!! あっ・・。」

*イライラも溜まっていた少女は呆気なく自爆してしまった・・。

雷牙
「ははっ、よしよし・・今日の桃香も元気だ。」

*兄は少女の頭を大きな手の平でなでなでしている。

桃香
「くぅぅぅ・・もぅ・・。」

*子供扱いには納得できないが、
 久しぶりに頭を、なでなでされたのがうれしくて・・
 口を尖らせながらも頬を桃色に染めて複雑な表情を浮かべる少女であった。

桃香
「お兄さま? ところで今日は何の買い出しなのですかっ!?
 一応、わたしの把握している限りでは
 食料も素材も不足している物は無かったはずですけどっ!?。」

*なでなでされて、少し機嫌が治り会話を始めた少女であったが
 いまだ不満がくすぶっているようで少し突っ掛かる感じで問いかけた。

雷牙
「さすが桃香だな、細かくチェックしてくれていて本当に助かるよ。
 いつもありがとうな、よぅ~しよしよし・・けど、今日は
 俺個人の忍具の部品を探しに行くんだよぅ~し、よしよし・・。」

桃香
「あんっ、髪がくしゃくしゃになっちゃうでしょっ! やめてって!
 やめっ・・やめ・・やにゃ、ふにゃ~んぅぅ・・。」

*今度は褒められながら、なでなでされて
 最初こそ抵抗して見せた少女であったが・・
 最後は子猫のようにご満悦の表情となった・・。

雷牙
「よぅ~し、よしよしよし・・。」

桃香
「あぁ~もぅ、わかりましたから・・。
 もぅ、お兄さまはぁ~ズルぃんだから・・。 仕方ありません。
 そぅいうことでしたら、わたしもがんばってお手伝ぃいたします。」

*こんな感じにじゃれ合っているうちに街に着いてしまった。
 そして、その頃には・・くすぶっていた怒りも治まり
 少女は、すっかりご機嫌になっていたのであった。

雷牙
「おっ、ここだ。
 ここの細工職人の部品は細かいところまで丁寧に作っていて
 調整とかが凄くしやすいんだよ・・どれがいいかな・・?。」

桃香
「ん~そぅですね、確かに・・丁寧に磨いてあって・・
 へぇ~どれもピカピカしていてきれいですね。」

雷牙
「だろ? ん? これなんか、いいかもな・・。」

桃香
「確かにいぃものばかりですけど・・でもその分、ちょっとお高いですね。
 お兄さま? 必要な物だけですからね?。」

雷牙
「うっ・・わかってるよ・・。」

桃香
「本当にわかってるんですか?
 けっこう必要のない物・・お兄さまのお部屋にありますよね?。」

雷牙
「うぅ、だからこうして桃香に付き合ってもらったんじゃないか・・。
 それにさ、この店・・忍にはあまり関係ないけど
 装飾品とかも人気なんだってさ。 これもいいかもな・・。」

桃香
「そぅなのですかぁ~?(装飾品かぁ~女忍にはちょっと関係あるかな?)
 あっ! お兄さま? こちらはいかがですか?。」

雷牙
「おっ! いいんじゃないか? とりあえず候補にしておこう。
 やるな、桃香。」

桃香
「いぇ、うふふっ・・。(あっ・・あの髪飾りかわいぃかも・・)。」
 ん~こんなのも使いやすいのでは?。」

雷牙
「おーこれもいいな・・。 どれもいいから迷うな・・。
 予備にもなるし、いくつか買っていこうかな・・。」

桃香
「だからぁ~そぅやって使わない物が増えていくんですよ?
 (けど、あの髪飾り・・きれぃだなぁ~・・
 んぅ~ダメダメ無駄遣いはダメってお兄さまに言っているのに・・)。」

雷牙
「わかってるよ、くそぅ・・やっぱり、ひとりで来るんだった・・。」

桃香
「もぅっ! 今後、お兄さまは・・おひとりでのお買い物は禁止ですっ!。」

雷牙
「えぇっ!? 冗談だって・・。 くぅ~ひとつかぁ~それなら・・よしっ!
 やっぱり最初に桃香が見つけてくれたこれにしよう。
 んじゃ、俺これ買ってくるよ。」

桃香
「はぃ、いってらっしゃぃ。(んぅ~やっぱりあれ・・いぃなぁ~・・)」

雷牙
「ただいま。 さぁ~帰るか。 ん?。」

桃香
「ですね・・。」

*ふたりはテクテク歩き出した。

雷牙
「うぐぅ、ちょっと待って・・。」

桃香
「はぃ? どぅかしました?。」

雷牙
「ちょっと、トイレ・・。」

桃香
「はぃ、桃香はお待ちしていますね。」

雷牙
「ん? 桃香は行かなくていいのか?。」

桃香
「えぇ、桃香はトイレに行ったことはありませし・・
 必要もありませんので・・。」

雷牙
「え? だって・・子供のころ、おねしょ・・。」

桃香
「はぁ~っ!!?? なんですかぁ~っ!!??
 ん? お兄ぃさまぁ~?。」

*今の少女への反論は即、死を意味する・・。
 そんな凄まじい圧力が感じられて、当然・・。

雷牙
「いえ、なんでもないです・・ごめんなさい・・。
 んじゃ、俺・・行ってきます・・。」

桃香
「もぅっ! ほんとにお兄さまはデリカシーが無いんだから・・。
 これじゃ、いつまでたっても・・お兄さまのままですね、はぁ~・・。」

雷牙
「ただいまー。」

桃香
「おかえりなさぃ、お兄さま。」

雷牙
「うわっ! 桃香・・髪に虫が付いてるぞっ!。」

桃香
「えぇ~どこですかぁ~?。」

雷牙
「あぁっ! さわったらダメだっ!
 桃香の嫌いな、あの緑色の五角形のやつだぞっ!。」

桃香
「ひぃっ! 取って、お兄さま・・早くぅ~・・。」

*あの黒くてカサカサ動くやつと双璧を成す嫌われものカメムシ・・。
 この魔界でもそのポジションは健在だっ!
 勝ち気なこの少女でさえも瞳を閉じてじっと耐える以外になかった・・。

雷牙
「ちょっと待ってな、すぐ取るから。
 動くなよ・・動くとくっさいの出すからな・・。」

桃香
「うん・・うぅぅ・・。」

雷牙
「よしっ! 取れたっ! そこのガラスで確認して安心しな。」

桃香
「うん・・えっ!? これ? 買ったの?。」

雷牙
「あ、いや・・里のお金も家のお金も使ってないからな・・。
 俺の自分のお小遣いで・・。」

*無言で少女がゆっくりと兄に歩み寄って行く・・。

雷牙
「あぁっ! ごめんっ! 勝手に買ってきて・・うわっ!。」

*突然、少女が兄の首に抱きついてきた・・。

雷牙
「くっ! 首をへし折る気かっ!?。」

桃香
「もぅ・・桃香をなんだと思っているのですか?。」

*もちろん兄は知っている。
 この少女が暗殺もこなす最強の女忍であると・・。

雷牙
「ごめん、桃香・・もう衝動買いはしないから・・。」

桃香
「ふぅ~怒ってなんかいません・・でも、なんでこれを?。」

雷牙
「へっ!? ふぅ~そうなんだ・・よかった・・。 いやさ・・
 さっきの店で・・なんとなく見てた感じがしてさ・・。」

桃香
「んぅぅ~んぅぅ~もぅっ! やっぱり・・
 雷牙さんでも雷牙くんでもあなたでも無いんです。
 そんなのは、誰でも呼べるんですから・・。」

桃香
「それよりも・・
 お兄さまをお兄さまと呼べるのは桃香だけなのですから・・。」

雷牙
「なに当たり前のこと言ってるんだ?
 それより、周りの人が見てるだろ? 恥ずかしいから離れろって・・。」

桃香
「いぃんですっ・・。 桃香のお兄さまは・・
 こんなにも素敵なんだと見せびらかしているんですから。」

雷牙
「何が言いたいんだよ・・ほんとお前は・・。」

桃香
「わからないのですか?。」

雷牙
「わかるわけ無いだろ? いいから離れろ・・っ!!。」

桃香
「お兄さま、だぁ~ぃ好きです・・ちゅっ・・。」

桃香
「おしまい。」

追記

桃香
「そぅいえば・・わたしのこの服、初めてなんですけど?
 なにかないのですか?。」

雷牙
「あぁ、いいんじゃないか?。」

桃香
「ははぁ~ん、なるほどっ!
 桃香があまりにもかわいぃので照れてるんですね?。」

雷牙
「バカ、ちげぇ~し・・。」

桃香
「よくよく考えたら、あそこまで素っ気無いのって逆に不自然ですよ?
 そぅ思いませんか? お兄さま?。」

雷牙
「うっ・・。」

桃香
「ほんと、かわいぃんですからぁ~お兄さまって・・うふふっ・・。」

桃香
「ほんとうに おしまい・・まったねぇ~。」

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